1. 英検2級についてのご紹介
英検2級では、高校卒業程度の英語レベルが必要になります。
もう少しわかりやすく言うと、「社会生活に必要な英語」をしっかり理解し、使用することができる程度の英語レベルになります。
英文読解の題材は、科学・テクノロジー・医療など社会や歴史について。少し難しい題材が使われるようになっていることから、求められている英語レベルが今までの試験に比べて高くなっているのがわかりますね。
英検2級は、海外留学で役立てることができたり、国内での入試が優遇されたり、単位認定を受けることができるなど、さまざまなシーンで役立ちます。
その分、今まで以上の高コミュニケーション力を測定されるので、英語の基礎をしっかりと理解した上で応用をスムーズに行えるよう、勉強を重ねてから受験すると良いでしょう。
2. 英検2級の合格ラインは60%以上
英検2級での4技能それぞれのスコアは、650点満点になります。二次試験を含めば、英検2級の満点は2600点です。
準2級同様、一次試験を合格できると二次試験のスピーキングテストを受験することができます。
一次試験の合格ラインは1520点。ただし、「統計的手法」を用いて算出されるため、単純に正答の数がスコアになるわけではありません。これも準2級までと同様ですね。
日本英語検定協会による、2016年度第1回の調査では、「各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されている」との結果が出ています。
このことから、2級の合格ラインは60%以上を目指すと良いでしょう。もう少し詳しく言えば、リーディング・リスニングの合計で41問以上の問題を正解するのが目安です。
英検2級の合格率は、2015年時点で26%程度。合格率が今までと比べて格段に下がっていることがわかります。
3. 英検2級の出題
それでは、英検2級ではどのような問題が出題されるのか実際に詳しく見ていきましょう。
3.1. 筆記試験 85分・38問とライティング
大問1(20問)短い文の空欄の問題
短い英文や会話を読んで、( )に入れるのに最も適切なものを4つの選択肢から1つ選ぶ問題です。
おもに語彙力が問われます。
20問を約15分で完了することを目指しましょう。目安は、核問題につき約45秒で答えることです。
大問2(6問)長文中の穴埋め問題
短い対話を読んで、( )に入れるのに最も適切な選択肢を選ぶ問題です。4つの選択肢が用意されています。
おもに読解力が問われます。
A、Bふたつの長文があり、どちらも文化・社会・自然科学をテーマにした250~300語程度の長文です。
出題の内訳はAとBそれぞれ3問ずつで、6問を約12分で完了することを目指すと良いでしょう。つまり、各長文に約6分ずつです。
大問3(12問)長文について質問を答える問題
長文とその内容に関する質問を読んで、適切な回答を選ぶ問題です。
おもに読解力が問われます。
A・B・C、3つの長文があり、Aは250字以上のEメール、BとCは文化・社会・自然科学をテーマとした400語弱の長文です。
12問を約30分で完了することを目指しましょう。
大問4(1問)ライティング
QUESTIONについて、自分の意見とその理由を英文で書く問題です。
解答の語数の目安は80語〜100語で、QUESTION に対応していない場合は0点と採点されることがあるのでQUESTIONをよく読んで理解しないといけません。
内容や英文の構成、語彙、文法の理解について問われます。語彙を増やし、文章構成のバリエーションを増やしておくと良いでしょう。
おもに、日常生活における課題について、自分の意見を英文で伝える問題が出題されます。
約25分で完了することを目指しましょう。
3.2. リスニング試験 25分・30問
第1部(15問)会話について質問
A・B・A・B(・A)パターンの会話と質問を聞き、最も適切な答えを選ぶ問題です。4つの選択肢が用意されています。
会話と質問はともに音声のみで放送され、問題冊子には選択肢だけが載せられています。放送は会話と質問とも1回のみ。
一度でしっかり聞き取れるよう、英語に慣れておく必要があります。また、単語をしっかり理解できるよう、語彙も十分に増やしておきましょう。
しっている単語が多ければ多いほど、英文を聞き取ることに対する苦手意識が減っていくはずです。
第2部(15問)英文について質問
英文と質問を聞き、最も適切な答えを選ぶ問題です。4つの選択肢があります。
会話と質問はどちらも音声の放送のみで、問題冊子には選択肢だけが載せられています。会話と質問はともに1回しか放送されません。
やや長めの英文が放送されますので、第1部以上に聞き取るのが難しくなります。必要となる語彙も増えるので非常に難関な問題です。
一度で長い英文をしっかり聞き取れるよう、十分な語彙と、基本的な文型とその応用に対する理解力を深めておきましょう。
4. 英検2級の語彙と文法について
2級で必要となる語彙の範囲は、1700語程度です。
準2級同様、多くの文法は、以前に学んだ概念に基づいています。準2級よりもさらに実用的な英語レベルが必要となるので、2級を受ける際には基本はしっかり固まっているのが大前提。
準2級で身に付けた基本の応用を、さらにスムーズに使えるようにまんべんなく理解を深めておくと良いでしょう。
では、具体的にどのような文法への理解が必要となるのか、例えを上げてみましょう。
・仮定法過去
・受け身
・動名詞
・不定詞
・複合関係代名詞:whoever・whatever・whichever
・関係代名詞(複数の節)
5. 英検2級まとめ
英検2級では、高校卒業程度の英語レベルが必要になります。
準2級では、基本の応用として日常生活に必要な英語を理解して、さらに使用することが求められました。それに対し2級では、さらにレベルアップして社会生活に必要な英語を理解し、使用できるスキルが必要となります。
つまり、より実用的で、さまざまなシーンに対応できる程度の英語力を身につけてからでないと合格は難しいと言えるでしょう。
先述した通り、英検2級の合格率は非常に低いです。よりスムーズに英語での会話ができる程度まで向上させてから、試験を受けるようにしましょう。