1. 英検って何?英検についてのご紹介と他の英語試験との比較
まずは英検についてご紹介していきます。
英検には、毎年250万人以上の総志願者がおり、特に合否判断や将来のキャリアの為の英語をマスターする必要がある学生にとって、最も人気のある資格試験です。
また、英検は日本人学習者を支援するために特設されたもので、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングと、いわゆる英語の4スキル全体で達成率を証明することができるので、自分のスキルがどれくらいのレベルなのかを知ることができます。
TOEIC、IELTS、TOEFLなどの国際試験は、レベル別に試験が行われるものではなく、全てが統一された形で実施されるので、まだ英語に触れ慣れていない若い生徒にとっては非常に困難なものになります。
それに比べて、英検は、5級から7段階制で、若い学習者や初心者に対応するように設計されています。また、小学生用に作られた英検Jrというものもあります。
では、国際でも求められている英検を、CEFRという国際的な6段階の基準のもと、他の英語試験と比べてみましょう。
CEFR、英検と他の英語試験の比較表
2. 英検の形式と試験方式について解説
英検には、ふたつの形式があるのをご存知でしょうか。
ここでは、それぞれの形式についての詳しい概要と、それぞれの試験方式について解説していきます。
2.1. 従来の英検について
まずは、従来の英検について解説していきます。英検は、毎年6月ごろと、10月、1月の3回試験が実施されます。
コンピューター上で受けることができる英検CBTと、1日試験の英検S-CBTも含めると、1つの級を合計8回受験することが可能です。
英検CBTについては、このあと詳しく解説していきますので、ここでは割愛します。
従来の英検の試験は、一次試験と二次試験の二部で構成されています。
一次試験では、筆記試験、ライティング、リスニングの3スキルの試験を受け、合格すると二次試験でスピーキングの試験が受けられる仕組みです。
3級~1級の一次試験に合格すると、二週間~四週間後に二次試験を受けることができます。
2.2. 英検CBTについて
英検CBTとは、コンピューター上で試験を受けることができる仕組みです。通常の英検と同じ検定試験で、一年を通してさらに長い座り込み期間を提供しています。
一日のうちに筆記試験、ライティング、リスニング、スピーキングの4スキルの試験を受けることができ、その合格級・スコア結果は大学入試で活用することができます。
3級~準1級が対象で、先述した通り、通常の英検を含めると年間に1つの級を合計8回受験できる計算に。
S-CBTの一日試験は大学志望者向けに設計されたもので、2019年に開始されました。
筆記とリスニングの試験は通常の英検と異なり、マークシートではなくパソコンで回答する形です。
CBTのライティング試験は、代わりにタイピング試験が行われ、S-CBTでは従来通り記述式で行われます。また、二次試験は面接ではなく、録音で行われる形です。
3. 英検の各級の内訳について解説
英検は、先述した通り5級からの7段階で構成されています。ここでは、それぞれの級について、推奨目安や出題目安について解説していきますので、英検を受ける予定の方は参考にしてみてくださいね。
なお、下記の内訳は日本英語検定協会の審査基準によるものです。
では、5級から順に見ていきましょう。
3.1. 5級の内訳
推奨目安 :中学初級程度
審査基準 :初歩的な英語
出題目安・目標:
英語を習い始めた方向け。
家族、趣味、スポーツなど身近な話題についての出題。
英語の基礎。
スピーキングテストも実施される。
上記の一覧のとおり、推奨される目安としては、中学初級程度の英語が出題されます。主に、英語を習い始めたばかりの方に向けた試験です。
家族や趣味など、身近な話題についての英語の問題が出題され、英語の基礎を固めたい方には最適な級であると言えるでしょう。
3.2. 4級の内訳
推奨目安 :中学中級程度
審査基準 :簡単な英語
出題目安・目標:
出題形式や内容が、より実用的に。
身近なトピックを題材とした読解問題が加わります。
基礎力をぐんぐん伸ばしていきましょう。
スピーキングテストも実施される。
4級では、5級に比べてより実用的な内容が出題されます。5級と同じく身近な話題の問題が出題されますが、出題形式もより実用的です。
5級に合格して基礎を固めたら、4級で基礎力をさらに伸ばしていくと良いでしょう。
3.3. 3級の内訳
推奨目安 :中学卒業程度
審査基準 :身近な英語
出題目安・目標:
筆記試験の題材、視野が広がり、海外の文化など
ライティングが加わる
中学卒業段階の英語力の達成目標:3級(文部科学省)
二次試験のスピーキングテストで英語では自分の考えを伝えられるように。
4級に比べて、更に実用的になるのが3級です。筆記試験の題材が海外の文化など、視野が大幅に広がったものになります。
中学卒業段階での英語力の達成目標として文部科学省から設定されているため、3級に合格できたら、中学英語はばっちりです。
3.4. 準2級の内訳
推奨目安 :高校中級程度
審査基準 :日常生活に必要な英語
出題目安・目標:
教育や科学などの題材
長文の穴埋め問題が加わります。
センター試験の問題形式と共通点が多く、入試対策にも最適。
高校卒業段階の英語力の達成目標:準2級~2級(文部科学省)
準2級では、筆記試験の内容に長文の穴埋め問題が加わります。センター試験の出題形式に似ている部分も多々あるため、大学入試対策としても最適です。
高校中級程度の英語が出題されるため、3級に比べてより実用的な英語に触れることができます。
文部科学省からは高校卒業段階の英語力の達成目標として準2級~2級が設定されていますので、大学を目指している高校生の方は、まず準2級の合格を目指してみましょう。
3.5. 2級の内訳
推奨目安 :高校卒業程度
審査基準 :社会生活に必要な英語
出題目安・目標:
英文読解の題材は、医療やテクノロジーなど社会性のある出題も
海外留学、国内での入試優遇・単位認定など、
コミュニケーション力が高く評価される
ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールできる。
2級は、高校卒業程度の英語力が必要になる試験内容です。社会生活で活用できる英語に触れることができます。
読解問題には社会性のある出題もあるので、英語レベルは格段にアップ。英語でのコミュニケーション能力が高く評価される傾向にあるため、スピーキングの対策をしっかりしておくことが大切です。
ビジネスシーンや採用試験で英語力をアピールしたいなら、2級の合格を目指しましょう。
3.6. 準1級の内訳
推奨目安 :大学中級程度
審査基準 :社会生活で求められる英語
出題目安・目標:
エッセイ形式の実践的な英作文の問題が出題
「実際に使える英語力」の証明として高く評価
準1級では、より高い英語力が求められます。
エッセイ形式の英作文の問題が出題されるため、英語の正しい文法や、実際に社会生活で活用できるレベルの英語力がなければ合格は厳しいと言えるでしょう。
ただ、実際に社会生活で支障のないレベルで英語を話せる証明になるので、将来英語を活かした職業に就きたい方には最適です。
3.7. 1級の内訳
推奨目安 :大学上級程度
審査基準 :広く社会生活で求められる英語
出題目安・目標:
二次試験では2分間のスピーチ。また、その内容について質問がある
カギは英語の知識のみでなく、相手に伝える発信力と対応力
世界で活躍できる人材の英語力を証明する
大学上級程度の英語力が求められる、英検の中でも一番レベルの高い級です。二次試験には2分間のスピーチを行い、その内容についての質問がなされます。
英語でのスムーズなやりとりを行うため、スピーキングとリスニングの対策をしっかりと行うと良いでしょう。
また、知識のみではなく、英語を使って相手に思いを伝える発信力と、何を聞かれても英語で臨機応変に返答ができる対応力が求められます。
つまり、1級に合格すれば、世界で活躍できる英語力を証明できます
4. 英検の語彙の範囲について解説
英検は、7段階で構成されていますが、各級で必要となる語彙の範囲は異なります。
5級と4級では、語彙の範囲は550~650語程度。3級になると、大幅に増えてその倍くらいの語彙が必要です。
また、準2級では1500語程度、2級に必要な1750語を足すと、2級を合格するまでに必要となる語彙の範囲は、合計5700語ほどになります。
準1級と1級では、合わせて5000語ほどの語彙が必要となり、英検全体で見ると、10000語以上の語彙が必要となる計算に。
つまり、英検1級まで合格すれば、10000語以上もの語彙が身に付くことになります。
5. まとめ
この記事では、英検についての概要をまとめてきましたが、いかがでしたか?
英検は、1級まで合格すると広く社会に通用する程度の英語力を身に付けることができます。
TOEIC、IELTS、TOEFLなどの国際試験とは違い、レベルに合わせて試験を受けることが出来るのも、嬉しい点ですよね。
英検は少しずつ勉強をして、少しずつ英語力をつけていけるシステムなので、若い生徒でも苦手意識を持ちすぎることなく勉強を進められますよ。