1. 英検1級についてのご紹介
英検1級では、大学上級程度の英語レベルが推奨されています。もう少しわかりやすく言えば、「広く社会生活で求められる英語」を証明するための試験になります。
つまり、かなり高い英語レベルが求められるということです。
その証拠に、二次試験では2分間のスピーチをすることになっており、知識だけではなく英語を使って相手に思いを伝える発信力も求められます。
グローバルな人材として必要なコミュニケーション力を測定されます。将来外資系企業に勤めたい方や海外で活躍したいと思っている方は、英検1級に合格しておくと、高い英語力をアピールすることができますよ。
2. 英検1級の合格ラインは70%以上
4技能それぞれのスコアは850点満点です。二次試験も含めると、英検1級のスコアの満点は
3400点になります。
一次試験に合格すると、二次試験のスピーキングテストを受験することができます。
一次試験の合格ラインは2028点。ただし、今まで同様、統計的手法を用いて算出されるため、単純に正答の数がスコアになるわけではありません。
日本英語検定協会による、2016年度第1回調査では、「各技能7割程度の正答率の受験者の多くが合格している」という結果に。なので、1級の合格ラインは70%以上になります。
英検1級の合格率は2015年時点で12%程度。当然ですが、準1級よりもさらに難易度の高い試験になっています。
3. 英検1級の出題
それでは、英検1級では、どのような問題が出題されるのか、詳しく見ていきましょう。
3.1. 筆記試験 100分・38問とライティング
大問1(25問)短い文の空欄の問題
短い英文や会話を読み、( )に最も適切な回答を4つの選択肢の中からひとつ選ぶ問題です。
準1級と同様で、最後の4問では、英単語2~3語の句動詞が出題されます。
短文の問題なので、読んですぐに英文の意味を理解し、同様に選択肢の内容も素早く理解して、スピーディーに問題を解く必要があります。
目安としては、25問を約15分で完了することを目指しましょう。つまり、各問題につき約35秒で答えます。
大問2(6問)長文中にある空欄に適切な回答を選ぶ問題
3~4段落で構成された350語程度の長文中に空欄が3つあり、最も適切な回答を4つの選択肢の中からひとつ選ぶ問題です。長文は2つ出題されます。選択肢は、だいたい5語くらいで構成された文の一部です。
ここでは、語彙力だけではなく文章内で筆者が伝えたいことを正しく理解する力が求められます。単語の意味を理解するというよりは、文章を素早く読み、どんな内容なのかをおおまかに理解する解き方が効率的ですよ。
合計6問を約15分で完了することを目指しましょう。
大問3(10問)長文について質問の問題
長文を読み、その内容に関する質問の回答を4つの選択肢の中から選ぶ問題です。長文は3つ出題されます。
ひとつめとふたつめは、それぞれ質問が3つずつで、長文は500語程度のものになります。みっつめの長文は、7~8段落程度の長文で、質問が4問です。
設けられた問いの形式も種類があり、疑問文に対する答えを選ぶものか、未完成の英文に合う回答を選んで英文を完成させる形式のものがあります。
合計10問をだいたい40分程度で完了することを目指しましょう。
大問4(1問)英作文
大問4は英作文の問題です。QUESTIONについて、自分の意見とその理由を3つ英文で書きます。
序論・本論・結論のエッセイ形式で英文を作ります。解答の語数の目安は200語〜240語です。
QUESTIONは、はいかいいえ(Yes/No)、もしくは賛成か反対か(agree/Disagree)で答えるものが出題される傾向にあります。
約25分で完了することを目指しましょう。
3.2. リスニング試験 35分・27問
第1部(10問)Dialogues: 会話に関する質問
会話とその会話に関する質問を聞いて、適切な回答を4つの選択肢から選ぶ問題です。会話と質問はそれぞれ1回ずつ放送されます。
8問目までは男女の短めの会話、9問目は男女の長めの会話、10問目は3人での長めの会話が出題されます。
会話の内容は、職場や家庭、学校でのシチュエーションがほとんどです。
第2部(10問)Passages: 文に関する質問
説明文と説明文に関する質問を聞いて、適切な回答を選ぶ問題です。各説明文と質問2つはそれぞれ1回ずつ放送されます。
説明文のテーマは実にさまざま。まずはタイトルをしっかり聞き取り、おおまかな内容を想像しましょう。
説明文の最初では、テーマの簡単な説明から入ることが多いので、内容をすばやく理解するには冒頭部分を注意深く聞いておくと良いですよ。
第3部(5問)Real-Life: 現実的なシナリオに関する質問
生活の中で行われる指示やアナウンス、メッセージを聞いて、それらに関する質問について正しい回答を選ぶ問題です。
質問文が放送される前に10秒間与えられ、問題冊子にあるsituationとquestionを読んでから、その質問に4つの選択肢の中からひとつ選んで回答します。
各英文と質問は1回ずつ放送されます。
第4部(2問)Interview: インタビューに関する質問
数分のインタビューを聞いて、インタビューの内容に関する問題に答えます。インタビューはだいたい3~3分半くらいの長さです。
質問は2問あり、4つの選択肢から適切なものをひとつ選びます。
インタビューの内容は、何らかのジャンルで活躍している方がその職業について、さまざまな視点からものごとを述べます。
英文と質問はそれぞれ1回ずつ放送されます。
インタビューを受けている人物の受け答えだけを聞くのではなく、インタビューをする側が何と質問しているのかもしっかり理解しましょう。
4. 英検1級まとめ
英検1級では、3000語程度の語彙が必要になります。ここまで解説してきた内容でわかる通り、非常に難易度が高いため、英語を自由自在に使いこなせると自信を持って言えるようになってから受験するのがおすすめです。
問題文を素早く、しかも正しく理解する力や、英文から趣旨を読み取る力、そして英語を使って自分自身の考えや主張を伝えられる発信力が求められます。
英検1級に合格できれば、高い英語力を持っていることの証明になりますので、将来英語を活用した仕事に就きたいと思っている方はぜひ、英検1級の合格を目指してみましょう!